チーム医療の実践

ナースはチーム医療のキーパーソン

『患者さま中心の看護』を提供するためには、チーム医療は欠かせません。
そこでは、それぞれの職種が専門性を発揮し、質の高い医療を提供するために、“協働”することが求められます。また協働するためには、お互いの専門性を認め合い、高め合うことができるチームでなくてはなりません。

各現場では医師や看護師など様々なスタッフが連携し、カンファレンスや回診などの活動の場を通して情報を共有し、個々の役割と責任を果たしています。

ナースはそれぞれの専門スタッフに患者さんの様子を伝え、より効果的な治療となるよう、チーム医療のキーパーソン的な役割を担っています。

当院では、様々な医療チームが活動しており、多くの職種のスタッフがそれぞれの専門的見地から、患者さん一人ひとりの治療に適した医療の実践に取り組んでいます。

褥瘡対策委員会

褥瘡対策委員会(左).jpg

当委員会は、院内褥瘡発生ゼロと褥瘡の早期治癒を目指し活動をしています。

構成メンバーは皮膚科医、内科医、皮膚・排泄ケア認定看護師、病棟担当看護師(リンクナース)、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、事務局員など多職種で、週1回「褥瘡回診」と月1回「褥瘡対策委員会」を開催しています。

褥瘡回診では、褥瘡のある患者さんの処置を行い、発生リスクの高い患者さんへは予防対策(適切なマットレスの選択、ポジショニング、体圧分散、スキンケア、栄養管理など)をスタッフへアドバイスをしています。また、回診後には必ずカンファレンスを行い、それぞれの専門的立場から包括的に治療方針を決定しています。

褥瘡対策委員会では、院内褥瘡発生率や症例報告を行うことで情報を共有し、ケアの改善に役立てる指標としています。
また、病院スタッフを対象にした褥瘡に関する勉強会を年2~3回程度開催し、スタッフのスキルアップを図る役割も担っています。

NST(栄養サポートチーム)

内科及び外科医師、看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士、言語聴覚士などがチームメンバーとなり、入院患者の栄養管理を行っています。
入院時に栄養評価を行い、高リスクの患者さんに対しては管理栄養士が栄養計画を立て、NSTチームメンバーで話し合い栄養状態の改善に努めています。
主治医と病棟スタッフとが密に連携を取りながら栄養計画を実施・評価し、褥瘡治癒の促進と術後合併症の予防に努めています。

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院内肺塞栓予防委員会

入院中は自宅での生活に比べて、治療のためベッド上で過ごすことが多くなるほか、活動が制限されるため深部静脈血栓症、肺血栓塞栓症を引き起こしやすい環境になります。それらを予防するため、医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師、事務など多くの専門スタッフから成る「院内肺塞栓予防委員会」は活動しています。

当院は「医療安全全国共同行動いのちを守るパートナーズ」 の活動に参加し、医療の質の向上に取り組んでいます。さらに平成23年2月からは、手術患者のみならず、検査・治療により48時間以上の安静が必要な患者さんに対しても予防ケアを行っています。
また、委員会メンバーが中心となって、患者さんや医療スタッフに対して積極的に啓蒙活動を行い、患者さんにより安心で安全な入院生活を送っていただけるよう努めています。

ICT(院内感染対策チーム)

ICTは、医師及び歯科医師(Infection Control Doctor)、看護師(1名は感染管理認定看護師)、薬剤師、検査技師、事務職員で構成されています。

ICTミーティングでは、感染菌発生状況、病棟別抗菌薬使用状況、アルコール手指消毒剤使用状況の集計やICTラウンドの結果などを院内職員にフィードバックしています。
また、それらを学会で発表したり、雑誌へ投稿するなど院外への発信も行っています。

【主な活動内容】

  1. 感染対策マニュアルの作成、改定、整備
  2. 抗菌薬適正使用の推進
  3. 院内感染対策研修会の開催
  4. 院内の標準予防策、感染経路別予防策の周知・徹底
  5. 院内感染発生時における対策の提案
  6. ICTニュースの発行
  7. 職業感染対策の推進 など

ICT活動NEWS<第1号> (PDF形式/941KB)

緩和ケアチーム

当院の緩和ケアチームは、痛みなどのつらい身体症状や、不安などの精神的な苦痛をやわらげ、患者さまとご家族が自分らしい生活を送れるようにサポートするための専門チームです。

がんと診療された時・がんの治療中・治療が変更になった時・治療が困難になった時など、様々な場面において患者さまにとって最善な方法を共に考え、方向を決定していきます。
いろいろな支援が必要となることから医師(麻酔科・外科・内科・皮膚科・精神科)、がん性疼痛看護認定看護師、各病棟1名以上の看護師、薬剤師、理学療法士、栄養士、ソーシャルワーカーなどで構成されています。

主治医も参画するチームカンファレンスを毎週行い、チームメンバーによる回診で患者さまの容態をお伺いします。
主治医、担当看護師とともに緩和ケアチームが協力して、患者さま・ご家族の「こころ」と「からだ」の調和を保ちながら、自分らしく生活できるようにお手伝いいたします。

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糖尿病療養指導チーム

より質の高い糖尿病治療を提供するために、糖尿病専門医を含む各科関連医師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、糖尿病看護認定看護師、日本糖尿病療養指導士、医事課専門職が連携して結成したチームです。入院及び外来患者さまに対して糖尿病相談指導(インスリン指導、血糖測定指導、栄養相談、運動療法、フットケア、透析予防指導、ストレス対処法など)を行っています。
また、当院スタッフに対する糖尿病指導法などの啓発にも取り組んでいます。

認知症ケアチーム

2018年4月に、医師、認知症看護認定看護師、病棟看護師、薬剤師、管理栄養士、作業療法士、ソーシャルワーカーの多職種で構成された認知症ケアチームが活動を開始しました。

当チームは、認知症のある入院患者さんが安全に医療を受け、安楽に療養環境を過ごし、もといた生活環境へ戻れるよう援助させていただくため、患者さん・家族さまを中心により良い方向へと導くためのチームとなっています。認知症がない患者さんでも、突然の入院による環境の変化により戸惑い、混乱する状況となる場合があります。そのようなことが起こらないためのケアや、起こったとしても最小限にとどめることができるケアもチームを中心に行っています。


また、今後は、患者さんが少しでも入院生活に活気をもち続ける一助となるように、院内デイケアといわれるレクレーション活動を開催する予定としています。

今後とも、地域の皆様にもご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

RST(呼吸サポートチーム)

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当院のRST(Respiration Support Team)は、呼吸器内科医師、口腔外科医師、看護師、臨床工学技士、理学療法士、言語聴覚士、薬剤師の多職種から構成され、主に人工呼吸器を装着している患者さんの呼吸器離脱、合併症の予防を目的として活動しています。また、高度な呼吸ケアや高流量の酸素投与が必要な患者さんに対しても介入し、安全・安楽な呼吸ケアを行うことで、それぞれの患者さんへのQOL向上に寄与できるよう努めています。

【主な活動内容】

・対象患者さんのカンファレンス、病棟ラウンド

・RSTニュースの発行

・呼吸ケアに必要な器材の提案・導入

・呼吸ケアの普及・啓発活動

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