NST(栄養サポートチーム)

NSTとは

 NST(Nutrition Support Team:栄養サポートチーム)とは、栄養について総合的に管理するシステムで、医師のみならず看護師、管理栄養士、薬剤師、検査技師、リハビリテーションスタッフらがそれぞれの専門的な知識、技術を活かしながらチームとして実施する集団をいいます。当院ではチーム医療の一環として、平成18年4月にNSTを立ち上げ勉強会を重ねて、7月より外科病棟において栄養サポートチームが活動を開始しました。

栄養管理が必要な理由

 栄養不良は、治療や病気の予後に重大な影響を与えることが以前より指摘されています。 すべての病気において、栄養管理をおろそかにすると治療の効果が減じてしまったり、合併症や副作用の頻度が多くなったりしてしまいます。例えば、栄養状態が悪いと床ずれ(褥瘡)ができたり、食べ物や飲み物がうまく飲み込めないことにより肺炎(誤嚥性肺炎)を起こしたりします。NSTは患者さまの栄養をあらゆる方面から検討し評価して早期に退院できるようチームでサポートしてまいります。

NST活動の実際

NST活動の実際

 入院された患者さまには、入院時に食事の状態や日常生活の活動性などについて看護師が伺い体重や腕の周りの計測をおこなうことで患者さまの現在の栄養状態を把握します。医師は入院時の診察で、栄養状態の評価や褥瘡の危険度の判断をおこないます。

また、検査技師は、栄養管理の指標となる検査データをチェックし、薬剤師・管理栄養士は必要栄養量、現状の摂取栄養量を計算して栄養評価をおこないます。これらにより栄養管理が必要な患者さまを見逃さないようにします。栄養不良と判断された患者さまがNSTの対象となります。

 

 当院のNSTでは、週に1回木曜日の午後1時半よりNSTミーティングをおこなっています。体重や身体計測値の推移、摂食状態、その他の全身状態を見ながら、必要なカロリーや栄養素が十分にとれているかを判断します。ミーティングの結果で、食事内容、経腸栄養の内容、点滴の内容などに変更するべき点があれば主治医に提案します。

 現在病院には、チーム医療として、緩和医療チーム、褥瘡チームがあり、それらが介入する患者さまは栄養状態が悪い方が多く、今後ともNSTとよく連携していきます。栄養状態の改善はさまざまな病気の予防・治療の基本であり、当院では、これから益々横のつながりをもった横断的NST活動を積極的におこなっていきます。

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