ロボット手術センターなどの低侵襲治療

「低侵襲治療」とは、手術・検査などに伴う痛みや発熱、出血などをできるだけ少なくする治療です。内視鏡やカテーテルなど、身体に対する侵襲度が低い医療機器を用いた診断・治療のことを指し、患者さんの心身への負担が少なく、回復が早いという特長があります。

当院ではこれまでも 「高度な医療を優しく、確実に」 をモットーに、短期間での退院が可能となるよう、低侵襲治療に積極的に取り組んできました。特に2016年~2018年にかけては、大型医療機器の更新・新規導入を進め、より負担の少ない検査・治療を受けていただける体制を整備してまいりました。

1.ロボット手術(ロボット手術センター)

2024年1月、「ロボット手術センター」を設置しました。

当院では2018年2月から手術支援ロボット(ダヴィンチ)を導入し、主に泌尿器科の「前立腺がん全摘出術」などを手掛けてきました。

ロボット手術にかかる診療報酬の適用範囲が拡大されたことを受けて、2022年度後半からは消化器外科大腸がん手術(結腸切除術)も行っています。

このたびの「ロボット手術センター」設置により、各科の医師(泌尿器科、消化器外科、麻酔科)、看護師、臨床工学技士といった院内の多職種がより緊密に連携し、高度な低侵襲治療をより安心して受けていただける体制ができました。

ダヴィンチ Si (手術支援ロボット)
術中

2.腹腔鏡・胸腔鏡下手術

低侵襲治療(手術)のコアとなる技術の一つで、胸部や腹部に数㎝の小さな穴を数個開け、そこから医療器具を挿入し、二酸化炭素ガスでお腹の中を膨らませながら、手術を行う術式です。

胃や肝臓、腸など腹部で行うもの(腹腔鏡)と、食道や肺など胸部で行うもの(胸腔鏡)があります。
従来の開腹・開胸手術よりも傷が小さくて済み、整容にも優れ、術後の回復も早いのが特長です。

この術式は、体内を映し出すモニターを見ながら手技を進めるなど、高度な技術が必要であるため、高い技量を持った医師を認定する「技術認定医制度」が運用されています。当院では、消化器外科、泌尿器科に技術認定医が在籍しています。

術中

主に関連する診療科:

3.内視鏡治療(胃カメラ、小腸・大腸内視鏡、胆膵内視鏡)

低侵襲治療(手術)のコアとなる技術の一つで、上部消化管(食道、胃、十二指腸など)、下部消化管(小腸、大腸など)に対する内視鏡による検査・手術に幅広く用いられています。
吐血、下血などに対する処置だけでなく、検査中に発見された早期の胃がんや大腸がん、食道がんなどに対して、その場でのEMR、ESDなどの治療に優れています。

また、内視鏡が苦手な方に対しても、苦痛を軽減するため、鎮静下での処置を行ったり、経鼻内視鏡やカプセル内視鏡を用いることで、少しでも快適で優しい検査・治療を提供できるように心がけています。

部屋

主に関連する診療科:

4.カテーテル(アンギオグラフィー装置)

カテーテル検査・治療のための装置です。大規模な外科手術を行うことなく、血管や心臓の異常を救います。
足の付け根や手首、肘の血管からカテーテルという非常に細い管を挿入し、造影剤を用いてX線画像を連続的に映しながら血管内を進めてゆきます。目的の部位に到達したら、血管の狭窄や閉塞の状態を調べたり、IVR(InterVentional Radiology:血管内治療)を行います。
(2016年10月導入)

アンギオグラフィー装置

5.放射線治療(リニアック)

がんの三大療法(手術療法、化学療法、放射線治療)の1つ、放射線治療を担っています。放射線を病巣に的確に照射することで、がん細胞を殺傷します。

照射に当たっては、CTを用いて綿密な治療計画を立て、正常な細胞への影響を極力減らし、体の外側から高エネルギー放射線(X線、電子線など)を照射し、腫瘍の縮小・消滅を図ります。

患者さんの病状などによって、照射時間や回数は異なります。また、手術や化学療法と組み合わせて実施することも多いです。
(2017年8月導入)

リニアック

6.MRI(磁気共鳴断層撮影装置)

磁場と電波を用いて、主に臓器や血管を撮影する装置です。
CTとの違いは、X線を使わないため放射線に被爆することがなく、また、CTが苦手とする脳内や脊椎などの画像診断を得意としています。

強い磁力が発生するため、金属類の持ち込みはできません。また、撮影時間が長く(約30分程度)、撮影中は大きな音がします。
(2016年4月導入)

MRI

7.CT(X線コンピューター断層撮影装置)

360度回転しながらX線を照射して体内の横断面を撮影し、コンピューター処理により診断用画像を作成する装置です。2021年4月に、従来の64列CTから320列の新製品へ更新し、より高精度な画像を得られるようになりました。

CTは、頭部、胸部、腹部、四肢と、全ての部位の診断で活躍します。
部位によりますが、撮影時間が約5分~15分程度と短く済むのが特徴です。
(2021年4月導入)

s-R3.4_新CT.jpg

8.体外衝撃波結石破砕装置

体外で衝撃波を発生させて、体内の結石へ当てて細かく破砕し、尿とともに排出させやすくする装置です。
基本的には手術や麻酔の必要がなく、治療時間は1回あたり約1時間程度のため、外来受診で手軽に受けられます。
(2007年4月導入)

<ドイツ・リチャード・ウルフ社製体外衝撃波結石破砕装置>
【画像提供】利康商事株式会社

体外衝撃波結石破砕装置

9.[鼠経ヘルニア]当日入院手術について

通常の手術では前日からの入院となりますが、働く患者さんの「1日でも入院を減らしたい」というニーズにお答えするため、当日入院での腹腔鏡下・鼠径ヘルニア手術を行っています。

 (参考)当日入院 鼠経ヘルニア手術の導入について

 (従来、3泊4日が必要だったところ、2泊3日で退院できるイメージです)

ページトップへ戻る