ロボット手術センター
お知らせ
◆2024.7月 「ダヴィンチSi」から「ダヴィンチX」に更新しました。
○ 2024.1/9 「ロボット手術センター」を設置しました。
ロボット手術センターについて
当院ではより高度で、かつ患者さんの体の負担が少ない手術を行うため、2018年2月より内視鏡手術支援ロボット「ダヴィンチ」を導入し、現在、泌尿器科と消化器外科においてロボット手術を実施しています。
その後、ロボット手術の保険適用となる症例が年々拡大していることから、診療科や職種を超えて院内の連携を深められるよう、2024年1月に「ロボット手術センター」を開設しました。
手術適応のある泌尿器科、消化器外科に加え、麻酔科、看護師、臨床工学技士等が、横断的にロボット手術の課題や技術、国内外の有用な知見を共有し、緊密な連携を図ることによって、患者により安全で質の高い手術の提供を目指します。
ロボット手術とは ~ダヴィンチを構成するパーツ~
従来の腹腔鏡手術において、ロボットを操作して実施するものをいいます。
現在の主な手術ロボットというと、米国製「ダヴィンチ」(Intuitive Surgical社)や、日本製「hinotori(ヒノトリ)」(メディカロイド社)など、数社から販売・実用化されています。当院では、最も早くに販売され、使用実績も最多である「ダヴィンチ」を導入しています。
◇ダヴィンチ各部の名称と役割
ダヴィンチは3つのパーツから構成され、高度な低侵襲手術を実現するために、それぞれに役割があります。
- サージョンコンソール
…術野を3D画像で立体的に見ながら、離れた②ペイシェントカートの鉗子と内視鏡モニタを遠隔操作。左右のコントローラーを2本の指で操り、鉗子やハサミ、持針器を操作して組織の切断、縫合などの精妙な施術が可能。
- ペイシェントカート
…患部に挿入された3本の鉗子と1本の内視鏡モニタが動き、手術を実施。
人間の手と同等以上の可動域を実現。先端の鉗子は用途に応じた機材に交換可能。 - ビジョンカート
…術野の鮮明な3D画像をリアルタイムで提供。画面上に指をタッチして線などを描き、視覚的なコミュニケーションが可能。
ロボット手術(ダヴィンチ)の特徴とメリット
ロボット手術の優れた特徴の1つは、視野・視界です。
ロボット手術では、3Dカメラによるリアルなハイビジョン立体画像で、最大約10~15倍に拡大された術野を確認しながら、3本のアームを操作します。
肉眼よりもより細かく・より大きな視野で、立体で距離感が掴むことのできる視界が、医師のロボット操作を支え、正確な施術を可能としています。
優れた特徴の2点目は、ロボットならではの精密・精妙な動きです。
アームとその先は人間の手首のように多関節で構成されていますが、「7方向・360度」という、人間の手を大きく超えた可動域を有しており、患者さんの体内で繊細な施術が可能となります。
また、術者の大きな動きも細かく縮小して伝え、術者の手ブレも防止する機能が備わっており、手術の精緻さを常に担保する仕組みとなっています。
これらの特徴により、人間の手よりも高い自由度で、患者さんの体内の奥深く・狭い場所でも、細やかな手術が可能となっています。
また、こうした特徴により、従来の開腹手術に比べて次のようなメリットがあります。
(主に前立腺全摘術の場合)
術後の回復が早い |
|
---|---|
後遺症が軽減され、生活の質を保てる |
|
術後の整容に優れる |
|
このたび、「ダヴィンチSi」のメーカー保守期間の終了に伴いまして、第4世代機種となる「ダヴィンチX」を導入いたしました。
「ダヴィンチX」の特徴として、手術を行うロボットアームが細くコンパクトになったことにより、今までよりも体外での接触が少なくなり、操作性が向上し可動域が拡大しました。
また、カメラの太さも12mmから8mmへと細くなり、4本あるロボットアームのどこにでも取付けることが可能になりました。
さらに、手術で使える鉗子やデバイスの種類も多く、今まで助手が行っていた操作をロボットアームで行うことができるようになりました。
これらの進化によって、手術の操作性・精度が高まり、高度な手術をより安定して行うことができるようになります。
診療実績
■ロボット手術センター 症例数(実績)
診療科 | 疾患名 | 術式 |
症例数 |
開始 |
泌尿器科 | 前立腺がん | 前立腺全摘術 | 232 | 2017 |
腎がん | 腎部分切除術 | 50 | 2018 | |
腎盂尿管移行部狭窄症 | 腎盂形成術 | 3 | 2021 | |
消化器外科 | 結腸がん | 結腸悪性腫瘍切除術 | 20 | 2022 |
(実績は、各術式開始から2023年12月時点までの累計)/(上記の術式は全て医療保険が適用されます)
■ロボット手術件数の推移
(一部、従来の腹腔鏡手術も別途行っています)
よくある質問
Q1.「ダヴィンチ」による手術は誰でも受けられますか?
患者さんの病状や既往歴などにより、「ダヴィンチ」が適用できない場合があります。
適用の可否は医師が判断します。
Q2.入院期間はどれくらいですか?
患者さんの状態によって変わりますが、10日程度です。
Q3.費用はどれくらいですか?
疾患によって異なりますが、健康保険が適用されますので、高額療養費制度を利用することで
負担を少なくすることができます。
Q4.ロボットが手術するのですか?
ダヴィンチ手術は、認定資格を取得し、トレーニングを積んだ医師によって行われます。
医師がカメラの映像を見ながら、手術器具を取り付けたロボットアームを操作して、
より精緻に手術を行います。
センター医師とメッセージ
上田 康生(UEDA YASUO)
泌尿器科/上田部長、重坂副医長、瀧内顧問
Message(下線部をクリック)
当院では、2018年2月に手術支援ロボット「ダヴィンチ」を導入しました。泌尿器科にてロボット手術を開始、2023年からは消化器外科でもロボット手術を開始し、手術数は増加傾向にあります。
ロボット手術とは、ロボット自体が手術を行うわけではなく、執刀医がロボットを操作して行う腹腔鏡手術です。奥行きのある3Dや拡大映像、ハイビジョン画像による良好な視野と、多関節構造や手ぶれ防止機能を持ったロボットアームと専用の鉗子を操作することにより、精密で繊細な手術操作が可能となります。その結果、従来の腹腔鏡手術に比べても、より安全で精緻な手術が可能であり、患者さんは負担の少ない手術が受けられます。これからも対象となる疾患はますます広がり、ロボット手術をご希望される患者さんも増えることが予想されます。
このような背景のなか、診療科だけでなく、ロボット手術に関わる麻酔科、看護師、臨床工学技士などのスタッフが連携し、手術の効率的な運用や安全体制の管理、最新の手術情報を共有して緊密に連携することにより、さらに質の高い医療を提供することを目的として、“ロボット手術センター”を開設することとなりました。
これからも当院では、ロボット手術を希望される地域の患者さんに対して、さらに精度が高く少しでも心と体に優しい治療を提供し、安心して入院手術を受けていただけるように、チーム一丸となって取り組んでまいります。
大西副院長、藤江部長、阿部医師
Message(下線部をクリック)
私たちは大腸がんに対するロボット支援下手術が令和4年4月に保険診療として認められたことを受け、同年11月から導入を開始いたしました。
導入の理由として、
1)従来の腹腔鏡手術(開腹手術に比べて患者さんに優しい)と比較しても、ロボット支援下手術の方がさらに低侵襲であることを示唆する複数の報告があったこと
2)従来の腹腔鏡手術には長年従事しており、安全な導入が可能と考えたこと
3)すでに泌尿器科が導入しており、臨床工学士、看護師の経験が蓄積されていたこと が挙げられます。
あらゆる手術について言えることですが、ロボット支援下手術では特に多くの医療スタッフの息を合わせることが必要になります。ロボット手術センターは当院のチームワークの象徴であり、私たちもその一員として最先端の手術を常に安全にお届けできるよう尽力して参ります。
麻酔科/前田副院長、平井部長
Message(下線部をクリック)
(作成中)
看護部 手術室/野口師長
Message(下線部をクリック)
2018年のロボット手術開始時より、医師・麻酔科医・臨床工学技士・看護師がチームとなり実績を重ねてきました。
術前の看護外来では、安心して手術当日を迎えていただけるように、手術室入室からの流れや、手術に向けての体調管理、体力の維持増進に向けた取り組みについて説明いたします。ロボット手術では、術式によってベッドを大きく傾斜して手術を行います。そのために、看護師が患者さんのお身体の状態に合わせた体位の調整や、術中も定期的に観察を行い、術後の苦痛を最小限にできるよう対応しています。また、術後も病室に訪問し、手術を受けた際に気付いたことや苦痛に思われたことはないかお伺いし、患者さん一人ひとりの声を大切にしています。
今後もチーム一丸となり、患者さんの安心と術中の安全、術後の回復のお手伝いをさせていただきます。
臨床工学科/山元(秀)技師長、山元(祐)主任
Message(下線部をクリック)
臨床工学技士は、医療機器を幅広く取り扱う専門家として業務に当たっていますが、手術支援ロボット「ダヴィンチ」についても、機器が安全に確実に使用できるよう、セットアップや日常点検を行っています。機器の性能を維持するための保守も行っていますが、機器のトラブルはゼロとは限りません。そこで我々・臨床工学技士は、機器のトラブルに迅速に対応できるような体制作りを行うとともに、医師・看護師と共にチームで停電時や緊急事態時に備えたトレーニングも実施し、患者さんの安全を守っています。
スタッフ紹介
泌尿器科部長
兼 ロボット手術センター長 上田 康生
(ウエダ ヤスオ)
|
資格
専門
|
---|---|
泌尿器科医務顧問
瀧内 秀和
(タキウチ ヒデカズ)
|
資格
専門
|
泌尿器科医師
田中 亘
(タナカ ワタル)
|
専門
|
泌尿器科医師
元木 宣孝
(モトキ ヨシタカ)
|
専門
|
副院長
兼.外科主任部長 兼.消化器外科主任部長 兼.産婦人科主任部長 兼.眼科主任部長 兼.消化器センター長 兼.外来化学療法室室長 兼.中央手術室室長 兼.救急室室長 大西 直
(オオニシ タダシ)
|
資格
専門
|
外科部長
兼.消化器外科部長 藤江 裕二郎
(フジエ ユウジロウ)
|
資格
専門
|
副院長
兼.ペインクリニック内科・外科主任部長 麻酔科主任部長 兼.疼痛・緩和センター長 前田 倫
(マエダ リン)
|
資格
専門
|
麻酔科部長
兼ペインクリニック内科・外科部長 平井 康富
(ヒライ ヤストミ)
|
資格
専門
|
外科医師
阿部 文章
(アベ フミアキ)
|
専門
|
臨床工学科技師長
山元 秀紀
(ヤマモト ヒデキ)
|
資格
|
臨床工学科係長
山元 祐宏
(ヤマモト マサヒロ)
|
資格
|