放射線科
お知らせ
放射線科では、地域の医療機関からのご紹介により各種検査を承っています。
(地域の医療機関様向け)
地域の先生方向けに単純CT検査の当日受入れを行っております。
この度、地域の先生方に当院のCT装置を幅広くご利用頂くため、放射線科単純CT検査の当日(日付指定・予約時間なしも含む)依頼の受付を行っております。
【検査受付時間】
〇午前9時~11時45分
〇午後1時~4時 (月・水は午後3時まで)
※詳しくは「患者総合支援センター」にお尋ね下さい。
TEL : 0798-64-1540 8:30~17:00(土日・祝祭日を除く)
その他
2016年11月より、循環器内科の新しい心臓血管治療室をオープンしました。
2017年1月より、腹部血管撮影室の機器を更新しました。
2017年8月より、新規リニアック棟を設置し、放射線治療システムを更新・稼働しました。
2021年4月より、CT装置を更新し稼働いたしました。
当科の紹介
放射線科は、当院における中央診療部門の重要な柱の一つです。高い専門性を維持しながら、効率よく円滑に機能する放射線診療及び、放射線治療システムを目指しています。
放射線診断部門では、各種レントゲン撮影の一般撮影装置や胃のバリウム検査など身体の中を見ながら検査を行う透視撮影装置、最新型の320列マルチスライスCTに、3テスラMRIを備えて放射線専門医による読影を提供しています。さらに、血管内治療に用いる血管撮影装置や、放射線治療装置も配備しており、癌や病巣に対する検査・治療も行っています。
院内各科からの様々な要望の全てに対応できる体制を目標としていますが、院内のみならず充実した画像診断システムを地域医療に還元することも重要な任務と考えています。このため 患者総合支援センター を介した病院と診療所の連携による画像診断依頼も積極的に受け入れており、かかりつけ医療機関から インターネットを利用した予約申し込み にも対応しています。
当科の特長
当科では、放射線専門医および放射線技師によるそれぞれの専門分野を活かした高度な放射線診療業務を行っています。すべてのモダリティを統括して効率のよい総合画像診断を組み立て、短期間に診断が確定するように努力しています。
インターベンショナル・ラジオロジー(IVR)の領域では、肝細胞癌に対する肝動脈化学塞栓療法(TACE)や喀血や吐下血に対する血管造影による緊急止血などの血管系IVRのみならず、閉塞性黄疸に対する経皮的肝胆道造影(PTCD)や金属ステント留置、膿瘍に対する経皮的肝胆嚢ドレナージ(PTGBD)などの非血管系IVRにも幅広く対応しています。
また、平成29年8月からは「リニアック棟」を新たに設置し、病巣へ集中的に放射線を照射することで副作用の発生を抑えられるより高度な治療システムの運用を行っています。
詳細については、以下のファイルをご覧ください。
診療内容の概要
一般撮影
使用機器
一般撮影装置
・FUJIFILM社製:
DR CALNEOシステム
マンモグラフィー(乳房撮影装置)
・Canon社製:
Pe・ru・ru Digital (MGU-100D)

骨密度測定装置(DEXA)
・Horizon - Ci
♦ マンモグラフィ施設・画像認定取得(2023年10月時点)
♦ 検診マンモグラフィ撮影認定技師 3名(2023年10月時点)
特長
一般撮影はX線を用いて画像化(レントゲン撮影)を行うもので、胸・お腹・腕や足などの骨に加え、乳房や歯の撮影のほか、骨の密度検査など、様々な検査を行っています。
○一般X線撮影
身体を透過したX線の量の差を白黒の画像にして見ることができます。
体内の臓器の状態や、骨の状態;骨折や骨腫瘍の有無などの診断のために撮影します。
○マンモグラフィー
乳腺検査専用のX線装置を用いて乳房を撮影します。
乳房撮影では乳房を板で挟んで薄くするため、痛みが伴うこともありますが、薄くすることで厚みのある臓器の内部をより正確に評価でき、被ばく量も減らすことが出来ますので、検査を受けられる方のご理解・ご協力をお願いいたします。
○骨密度測定
X線を用いることでより精密な骨の密度量検査が可能で、当院では主に腰椎(背骨の腰の部分)と、大腿骨頸部(太ももの付け根:股関節)を測定しています。
所要時間は約15分程度で、検査台に仰向けに寝転んで測定しますので、痛みや寝苦しさを感じられましたらお申しつけください。
検査を受けられる患者さんへ
【撮影中】
⇒撮影範囲内に貼られた湿布・磁気盤・カイロや、アクセサリーなどの金属製品やプラスチック製品は、写真に写り込んでしまい、再撮影の原因となりますので、あらかじめ取り除いておいてください。
※着衣がない場合は、検査着を用意いたしますのでご安心ください。
CT
使用機器
・CANON社製:
Aquilion ONE / NATURE Edition 320列CT装置
・FUJIFILM社製:
画像再構成システム SYNAPSE VINCENT

♦ X線CT専門認定技師 4名(2023年10月時点)
特徴
CTとはComputed Tomography:コンピュータ断層診断装置のことで、X線を使って身体の断面を撮影する装置であり、体内の様々な病巣を発見することができます。
必要に応じて“造影剤”という薬を静脈から注射・注入することにより、組織間のコントラストを向上させ、血管や腫瘍などをより明確に描出することが可能です。また、画像データを三次元化することで、心臓の冠動脈の評価や、手術前に腫瘍の周りの血管解剖を把握することができます。
検査を受けられる患者さんへ
【事前の診察・相談時】
⇒妊娠している、またはその可能性のある方や、心臓ペースメーカー、植え込み型除細動器(ICD)を使用している方は、事前にスタッフにお申し出ください。
⇒常備薬を服用されている方は、主治医の指示に従ってください。
【撮影前日~当日】
⇒造影検査、腹部の撮影検査を受けられる方は、食事・飲水の制限があります。
【食事】検査5時間前から制限してください。
【飲水】検査2時間前から制限してください。(5~2時間前までは、水、又はお茶は飲んでも問題ありません。)
⇒撮影する際は検査着を用意いたしますが、撮影部位の金属類やカイロは取り外してください。
(例) ヘアピン・補聴器・入れ歯・ネックレス・ピアス等
⇒個人差はありますが、造影剤が身体の中に入ると、全身に熱感を感じます。
時間が経てば治まりますので安心してください。
【撮影中】
⇒検査時間は約5~20分です。
CT検査では放射線を使用するため、被ばくについて心配される方もおられるかと思います。当院では320列マルチスライスCTへの更新に加え、最新の画像再構成技術「AiCE:人工知能」の導入により、撮影時間の大幅な短縮と、従来よりも低い線量で高品質な画像を提供することが可能になりました。
⇒正確な撮影を行うためにも、検査中は身体を動かさないでください。スタッフとはマイクを通していつでも会話できますので、安心して検査を受けてください。
MRI
使用装置
・SIEMENS社製:MAGNETOM Skyra 3T

♦ 磁気共鳴専門技術者(MRI認定技師) 1名(2023年10月時点)
特徴
MRIは「磁気共鳴断層撮影装置」といい、検査では大きな磁石のトンネルの中に入り、ラジオ波と呼ばれる電波を当て、体から跳ね返るラジオ波の信号を元に診断用画像を作成します。造影剤を使わずに脳などの血管を描出することができ、X線ではなく磁場を使った検査ですので、被ばくの心配はありません。
検査を受けられる患者さんへ
【事前の診察・相談時】
⇒常備薬を服用されている方は、主治医の指示に従ってください。
【撮影当日】
⇒強力な磁石の中に入って行う検査のため、金属類はもちろん、磁石に引き寄せられる物の持ち込みは厳禁です。特に電子機器に関しては、身に付けているだけでも磁場の影響で破損しますので、必ずロッカーにお預けください。また、体内に金属 (ペースメーカーや素材不明のものを含む) がある方は、検査をお受けできない場合がございます。
⇒化粧品やタトゥー (刺青) 等に含まれる微量な金属による火傷の事例が報告されています。落とせない場合は、検査をお受けできないこともありますのでご注意ください。
⇒造影検査、腹部の撮影検査を受けられる方は、食事・飲水の制限があります。
【食事】検査5時間前から制限してください。
【飲水】検査2時間前から制限してください。(5~2時間前までは、水、又はお茶は飲んでも問題ありません。)
【撮影中】
⇒検査中は大きな音が出ます。異常を感じたときのために緊急連絡ブザーをお渡ししますので、具合が悪くなった場合は遠慮なくお知らせください。
⇒正確な撮影を行うために、検査によっては長く息を止めていただく場合があります。
不安な方はスタッフにお申し出ください。
⇒MRI検査は体の輪切り像だけでなく、あらゆる任意の断面の撮影が可能です。しかし、ラジオ波を発生させる際の騒音が大きく、撮影時間も長い一方で、患者さんの動きには大変弱い検査でもあります。より良い正確な画像を得るためにも、出来るだけ体を動かさないよう、ご理解・ご協力をお願いいたします。
透視撮影
使用装置
・HITACHI社製:VersiFlex VISTA

特徴
透視撮影は、X線を用いて連続した (リアルタイムに) 画像を映し出す検査です。あらゆる検査部門と連携しており、一般検査から病気の診断・治療に至るまで、幅広く用いられています。検査例としては、人間ドック検査で耳にする胃検診でのバリウムを用いたレントゲン検査の他に、消化器科や泌尿器科と連携した検査や治療、整形外科と連携した骨折・脱臼の整復術、ペインクリニック外来と連携した神経麻酔術などがあります。
検査を受けられる患者さんへ
【撮影当日】
⇒胃の検診検査の際の食事制限など、各検査の前処置については、それぞれの担当となる主治医の指示に従ってください。
⇒各検査内容により、造影剤などのお薬を使用する場合があります。
⇒金属物や湿布・カイロなどは写り込んでしまうため、あらかじめ取り除いてください。
血管撮影(アンギオグラフィー)
使用装置
体幹部血管撮影用
・TOSHIBA社製:Infinix Celeve-i (INFX-8000C)


心臓血管撮影用
・PHILIPS社製:Allura Clarity FD10/10

♦ 日本血管撮影・インターベンション専門技師 1名(2023年10月時点)
特徴
X線を用いて血管内部を連続的に撮影する装置です。検査では、股関節部・手首・肘などからカテーテルと呼ばれる細い管を血管内に挿入し、造影剤を注入しながら腫瘍部位への血管の走行や、血管内部の状態を調べます。
検査だけでなく治療にも活用されており、従来は開胸や開腹といった外科的な手術が必要であった疾患に対しても、現在はカテーテルを用いた低侵襲な血管内治療 (インターベンショナル・ラジオロジー:IVR) が盛んに行われるようになりました。
血管内治療では、動脈硬化症などによって狭窄したり閉塞してしまった血管内の部位に、バルーン(風船)やステント (金属の網目状の筒) を用いることで、血流を再確保する血管形成術が行われ、がん細胞を養っている血管に対しては、栄養経路を閉塞する血管塞栓術が施されます。
検査を受けられる患者さんへ
・体幹部用装置
⇒放射線科医と各科主治医との連携により、肝細胞癌の栄養血管となる動脈に対してカテーテルを挿入し、塞栓物質や抗がん剤を直接注入することで、がん細胞を死滅させる治療を行っております。
・心臓用装置
⇒循環器内科医によって、冠動脈の狭窄や閉塞に対し、バルーンやステントを用いて血管腔を広げ、血流の改善を行っております。心血管撮影では多方向からの撮影を必要とするため、当院ではバイプレーン (同時2方向) 撮影を可能にする装置を導入し、撮影時間を短縮することで被ばく量や造影剤使用量の低減に努めております。装置は心臓だけでなく、四肢全般血管撮影 (主に足) や、ペースメーカー埋め込み術等の循環器領域全般にも活用し、幅広く治療を行っております。
⇒体幹部、心臓のどちらの検査でも、検査前の処置につきましては主治医の指示に従ってください。
放射線治療
使用装置
治療装置
Varian社製:Clinac iX

治療計画用CT
SIEMENS社製:SOMATOM Scope Power-RT Pro edition

三次元放射線治療計画システム
Varian社製:Eclipse
♦ 放射線治療専門認定技師 1名(2023年10月時点)
特徴
放射線治療は、がん治療の三本柱 (外科手術・化学療法・放射線治療) の一つとして広く活用されています。
外科手術と同様に局所的で、治療したい場所に放射線を当てることで治療を行いますが、メス等を使用しないため外科手術よりも痛みが少なく、患部の機能・形態の温存ができるため、幅広い病期に適応できる治療法です。
がん細胞は、正常な細胞よりも放射線に敏感に反応してダメージを受けやすい性質があり、更にはダメージからの回復力も正常な細胞より劣っています。放射線治療ではこの特性を利用し、数回 (数日) から30回 (日) 以上に分割して放射線を当てることで、目標となる疾患のみを治療します。
新棟での治療の流れ
【治療計画】
①まず放射線治療の計画を立てるために、治療計画専用のX線CTを用いて患部の撮影を行います。
放射線治療では “治療中に動かないこと” が大前提です。そのため、必要に応じて頭や体を安定させるための固定具を作成し、装着した状態でCT撮影を行います。
※痛みや息苦しさを感じた場合は、遠慮せずにお申し出ください。
※基本的には、CT撮影後はお帰り頂きます。
※次回診療日までに来ていただくことはございません。
②次に、撮影した画像を元に最適な放射線治療プログラムを計画します。 現在の放射線治療ではCT画像から三次元的画像を作成し、それを元に照射方法を決定していきます。
③確実に安全で質の高い放射線治療を行うため、目的部位に計画線量の放射線が当たっているかを測定機器を用いた模擬試験等で事前に確認し、初回の治療日を迎えます。
【治療】
⇒日々の治療は、月曜~金曜 (祝日除く) の週5回で複数回の治療となりますが、来院してから治療が終わるまでで約15~20分程度です。

【治療における放射線について】
⇒一言で「被ばく」といっても、同じ量の放射線を全身に受けるときと、局所的に受けるときとでは影響の現れ方が異なります。放射線治療では、照射された箇所にのみ効果を発生させるため2000mSv (=2Sv=2Gy / 全身に受けると悪心や吐き気を引き起こす可能性のある量) といった強い線量の放射線であっても、局所的かつしっかりと管理をして扱うことで、癌細胞のみを死滅させるような有効な使い方が可能となっています。
放射線とは
放射線の種類
放射線には、X線、α線、β線、γ線、電子線、陽子線、中性子線などの種類があります。
医療現場ではそれぞれの特性を活かし、以下のような活用が行われています。
○レントゲン検査 ・・・ X線
○核医学検査 ・・・ γ線、β線
○放射線治療 ・・・ 高いエネルギーのX線、電子線や、陽子線
放射線の単位
■Bq (ベクレル)
1Bqは、1秒間に1つの原子核が崩壊して放射線を放つ力のことで、放射能に使われる単位です。
放射性物質などから照射される放射線の量を指す。
■Gy (グレイ)
放出された放射線が、ある物質に吸収された(当たった)際の放射線エネルギーで、吸収線量に使われる単位です。
1Gyは物質1kg当たりに1J(1ジュール=0.000239キロカロリー)のエネルギーが吸収されることを意味します。
■Sv (シーベルト)
放射線が“人体”に照射された際の人体への影響を表わし、等価線量と実効線量があります。
等価線量は、組織・臓器の吸収線量に放射線荷重係数 (X線=1) を掛け合わせた値で示します。
※ここでは“どの種類の放射線を浴びたか”を考慮します。
実効線量は、等価線量にその組織・臓器の組織荷重係数を掛け合わせ、各組織・臓器について和をとり、全身について表した値で示します。
※各臓器・組織により放射線への感じ方が異なるためそれぞれが持つ係数を使用します。
放射線と被ばく
放射線被ばくと聞くと、不安なイメージを持つ人がいるかもしれません。普段の生活で浴びる放射線のうち、宇宙や大地といった自然からの放射線 (年間約2.4ミリシーベルト) を除けば、医療による放射線が最大となっています。
医療放射線(検査)による被ばく量は、例えば胸部エックス線撮影では 0.05ミリシーベルト、エックス線CT撮影では5~30ミリシーベルトと、検査の種類によりかなり異なります。しかし、発がん性リスクという観点から見ると、いずれも極めて少量です。また、検査を受けた体の中に、放射線や放射能が残るということもありえません (核医学検査で放射能を持つ薬を使った場合は、しばらく体内に薬が残りますが、数時間から数日で無くなります) 。むしろ、検診や検査によってがんなどの病気が発見されて、適切に治療されることによる有益性の方が圧倒的に高いと言えます。
一方、放射線治療で用いる放射線は、がん組織を弱めることが目的ですから、照射部位には非常に多くの放射線を当てることになります。その結果、がんの周囲の正常組織に影響が生じて、いわゆるがん治療の副作用が現れることがありますが、その副作用よりもがんが治ることの有益性の方がずっと高いので、このような照射が行われます。近年では、カテーテルを用いた血管内治療も頻繁に行われていますが、その治療においても放射線が用いられています。現代の医療はもはや、放射線の活用なしには成り立たないものとなっています。
われわれ医療スタッフは可能な限り、被ばく量を最小限に抑えて、日々の検査・治療を行うことを心がけています。原則として、医療行為における放射線は、それによるリスクよりも有益性(得られる情報)の方が上回る場合にのみ用いることを念頭においています。
皆様におかれましては、被ばくすることを過度に怖がることなく、安心して診療を受けていただきたいと思います。
放射線量と影響の関係 (全身被ばくと局所被ばく)
スタッフ紹介
放射線科部長
鍔本 美津子
(ツバモト ミツコ)
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資格
専門
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放射線科医務顧問
藤田 眞
(フジタ マコト)
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資格
専門
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放射線科医師
上野 紗規子
(ウエノ サキコ)
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専門
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