お薬のいろいろ話

お薬の服用量、服用方法、使用方法について

 お薬は、のむ時間や量、使用方法に十分注意してください。例えば、糖尿病のお薬の中には、食事の直前にのまないと効果がでないものがあります。また、骨そしょう症のお薬の中には、朝起きてすぐにのんだ後、食道のつかえを防ぐために30分間は横にならないよう注意すべきものがあります。

 お薬の量やのむ時間、使用方法を守ることが、より効果的な薬物治療を行う上で重要です。薬剤部では、特に飲み方に注意が必要なお薬には説明書を添付していますので必ずお読みください。

お薬の副作用について

 一般的に医薬品は身体にとって異物であり、使用に際して万全の注意を払っていても、副作用の発現を完全に防止することは不可能と考えられています。医薬品は、その薬による治療効果と比較して、副作用による不利益が許容範囲であることが確かめられた後に、厚生労働省より承認を受けます。

 従って医薬品を使用する時は、有益な面だけでなく不都合な側面もあることを理解することが必要です。使用にあたっては、医師や薬剤師が副作用の発現に注意するだけでなく、患者さん自身がお薬に関心を持ち、いつもと違う症状が出たら、医師や薬剤師に相談するなどして、重篤な副作用を未然に防ぐよう心掛けることが望まれます。

お薬の臨床試験(治験)について

 医薬品の開発にあたっては、動物で生体に対する作用や安全性を確認した後、最終的に、ヒトでの有効性や安全性を確認する臨床試験(治験)が実施されます。

 治験は「医薬品の臨床試験の実施の基準」という法律を遵守して行うことが厳しく定められています。当院でもこの法律に則り、医療関係者以外の方や病院職員以外の方に参加していただいて、治験審査委員会を開催し、院内で行われる治験の安全性、妥当性、倫理面を検討したうえで、患者さんに正しく説明し、患者さんの自主的な判断で治験に参加していただいています。

小児の粉薬の飲ませ方(乳児編)

  • 方法1
    小さな容器にお薬を出し、数滴の水を加え、ペースト状にする。これをお子様の口の中、上あごや頬内側に貼り付け、ごっくんさせる。
  • 方法2
    小さな容器にお薬を出し、少しの水を加える。溶かした薬をスプーンやほ乳瓶の乳首、スポイトを使用してのませる。

ミルクに混ぜると味が変わり、ミルクを嫌うことがあるので避けてください。

乳児は食事回数や内容、時間など様々であり、お薬の飲ませ方は個人差がありますので、不明な点は薬剤師に相談してください。

参考;「小児のくすりと服薬管理」南山堂より抜粋

小児の粉薬の飲ませ方(幼児編)

  • 粉薬に少量の水(10-20mL)を加えてのませてください。お薬をのんだ後は、口の中に薬が残らないよう、水をのませてください。
  • お水でうまくのますことができない場合には、代わりにジュースやヨーグルト、アイスクリームを混ぜたりする方法がありますが、お薬によっては混ぜることで苦味がでる場合もあります。その際は、薬剤師に相談してください。
  • お薬はのませる直前に1回分だけ混ぜるようにし、作り置きはしないで下さい。

参考;「小児のくすりと服薬管理」南山堂より抜粋

小児の水薬シロップ剤の飲ませ方

  • 用時振とうの薬剤は、水剤ビンを軽く振る。
  • 1回量をコップ等にスポイトなどで正確に量り取ってください。
  • 量り取ったスポイトなどは雑菌がつかないようきれいに洗い、乾燥させてください。
  • 水剤は雑菌が繁殖しないように冷蔵庫で保管してください。
  • そのままで飲みにくい場合には、お茶やジュースなどを混ぜるのも一つの方法ですが、お薬によっては苦味がでるものもあるので、薬剤師に相談してください。

参考;「小児のくすりと服薬管理」南山堂より抜粋

おわりに

 薬剤師は調剤の他に、患者さんにお薬を正しく安全に使用していただくために必要な、お薬に関する様々な業務を行い、薬物治療をサポートしています。皆様もご自身やご家族の方がのまれているお薬をよく知りましょう。ご不明な点がありましたら、気軽にお尋ねください。

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